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劇団音光舞 Non
Brand Project 2nd Live stage 『Present for you』
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99.9.4(土) オーチャードホール まずこれだけは声を大にして言いたい!「熊川哲也すごいぞー」最近ちょっと私の中ではロイヤルを辞めた哲也くんに対してもやもやとした気持ちがあったりいろいろで実際「今日もこんなに高いお金を払ってまで観に行く程のものだろうか?」という思いがずっとあったのだけど。そんな気持ちを全て払拭する演技。あまりにも有名な『ボレロ』を全く新しいプティの振付で世界初演という偉業を彼は完璧に成し遂げた・・・。まず『ボレロ』というのは丸い台の上で一人のダンサーが踊り、周りを数人の男性ダンサーが取り囲んで中央のダンサーと呼応するように踊る。これが普通の(というのも変だけど)ボレロなんだけど、今日のプティ版ではまず台は四角で低め。そして周りはオーケストラが取り囲みステージ後方の指揮者側を向いて演奏。真っ暗な舞台でまずボレロのメロディーが流れ出す。しばらくして静かに哲也くん登場。稽古着のような格好、帽子。良く観ると後ろがベルトコンベアのようになっていてその上で歩いたりしている。哲也くんが舞台にすすみ出ると今度は後方に椅子が置かれ、しばらくその椅子を使った振り。ボレロのリズムが高く大きくなるにつれ、哲也くんの動きも激しくなる。ジャンプ。このせまい舞台上でピタッと決まる脚。上体も全くぶれずに。危なげない完璧な踊り。圧巻。もちろん音楽とずれることなく、流れるような演技に瞬きするのも惜しいくらい、くいいるようにみつめる観客。オーケストラの最後の音が鳴り終わると一呼吸おいて割れるような拍手と「ブラボー!」の声。何度も何度も舞台上に引っぱり出される熊川哲也は、最後まで控えめな態度を崩さなかった。才能あふれる彼が、どれほどの努力をしたらこれだけの完璧な演技ができるのか。想像すらつかないけれど、いくら天才だってすぐにあんな風には踊れない。きっと彼の中で世界初演の誉れと、ロイヤルを退団して世界が注目している今の状況と、新しい物に挑戦する気持ちと、いろいろなものがあってあれだけの演技が完成されたんだろうな。才能+努力、本当にすごい。さて、プログラムをさかのぼってまず、Wオーケストラ。最初、舞台上に2人の男性が歩いてきて「?」って思ったのだけど、そう、Wオーケストラだから、それぞれのコンサートマスターがいるんだよね。ちょっとオペラグラスでのぞいてみつけた本日のく〜りんの注目の人(笑)は、茶髪のチェリスト。最前列で目立つこと!オープニングの『タンホイザー』は何故この曲かというと、10年前、このホールはこの曲で幕開けしたからなんだって。続いてオペラ歌手の中丸三千繪さん。はじめて生でみたけれどきれいな方です。でも男性のテノールと一緒になると男性の声がかなり強くてちょっと弱々しい印象。そしてく〜りんが楽しみにしていた小山実稚恵さん。一曲じゃ足りない(^^;) もっと聴きたい。とっても女性らしい弾き方が素敵です。クラッシック部門ラストは再びWオーケストラによる日本人作曲家の曲なんだけど。どうも現代音楽があまりいいと思ったことのない私。どうかな〜と思っていたんですが。これがどーして、指揮の井上さんは同時に司会のような事もやっていて「次は踊り出したくなるような曲です」と、やおらまめしぼりの手ぬぐいを取り出してねじりはちまきをし、上着を脱ぐと背中にはミッキー&ミニーのプリントが・・・(^^;) 「うーむ、かなりおもしろいおじさんだぁ」曲のほうもおもしろい曲でWオーケストラの迫力を充分に発揮していたの。さて第2部。シーンと静まり返ったホールのステージに源氏物語から抜け出してきたような貴公子登場。これも楽しみにしていた東儀秀樹さんの演奏。真っ白な狩衣、烏帽子姿でまっすぐ前を見てゆっくりと歩く姿は平安時代の貴族そのもの。この時だけは時間がゆっくりと流れているようなそんな感覚にとらわれたのです。あとで井上さんがインタビューすると、この格好は「普段着です」だそうです(笑) 表情をぜんぜん崩さずに変なこと言う人です。続いてSAXとクラリネットのJAZZがくるんだけど、これがこんな会場だから盛り上がらないこと(^^;) ステージ上ではさぞがっかりしたことでしょう。そして2部最後を飾る熱帯JAZZ楽団。これも、ね。こんな会場じゃなかったら立ち上がって踊りたいところだけど、客席、シーン・・・。なんか演奏している人がかわいそーになってしまった。熱帯JAZZ楽団はそのうちCD買おうっと。6時30分開演で全部終わったのが10時20分くらいかな。途中2回の休憩をはさんだ今回の公演は、やっぱりどう考えてみても熊川哲也のボレロが頭から離れず、その日寝るまで興奮状態だった・・・・・。
ナイロン100℃「テイク・ザ・マネー・アンド・ラン」 99.9.5(日) 下北沢本多劇場
ずっと前から気にはなっていたの。ケラさんと言えばその昔「有頂天」のCDをレンタルして聴いていた私なのだから。何かついでがある時に観たいと思っていてやっと念願かなって行ってきました、下北沢本多劇場。今回も例によってぎりぎりでチケットをとったので席は限りなく最後列に近いはじっこ。でもいいの。初めてだし、とれただけラッキー。いつも思うんだけど、下北沢の劇場って一人で観に来る人が多いんだよね。演劇好きが集まってるんだな。舞台上は船のデッキのセット。まず登場したのは元保険勧誘員につめよる女。そしてそれをとめる妹。物語の背景は日本を大地震が襲い、どこかの島へ向かって逃げ出す船の上という設定らしい。ちょっと躁鬱病気味の姉は、男に騙されてお金を貢いだんだけどこの男ってのが歌手でこんな歌歌ってます・・・「山に登ればやま〜、海に登ればうみ〜・・」ラジオから流れてくる声にうっとりする姉。聞き流している客席。そこへ妹のするどいつっこみ!「海は登らないでしょー!!」あ、そっかぁ、言われて笑い出す私たちも・・・(^^;) 「うーん、ケラさんってこういう感じかぁ」と、軽くうけたとこで、そのあと細かいギャグはあったけど私にはどうもねーてな感じで中盤。年配の男が「母さん」を連れてデッキに出てくる。この場面は最高。この2人のシーンは大爆笑の連続で疲れちゃったくらい。まず「母さん、何か飲みましょうか」と言って自販機の前へ行く男「か、母さん大変です!ミルクティーを押したのに『おーいお茶』が出てきました!」(笑) 母「何でもいいでしょう」男「でもミルクティーと『おーいお茶』じゃぜんぜん違います!」母「どっちもお茶でしょう」男「ま、それもそーですね。呼んでるか、呼んでないかの違いくらいでどーってことないですよね」(爆笑) もうだめ。笑いのつぼ。う〜ん、ケラさんてこー来るのかぁ。。。このシーン、この後も引き続き自販機ネタとかいろいろ、たたみかけるように言葉で笑わせてくる!またこの男をやっている大倉さんの「か、かーさんっ」っていう演技(どんな演技じゃ^^;)と、母さん役今江さんの妙に落ちついたゆったりとした演技が絶妙のバランスなのだ。でも大きく盛り上がったのはそこくらいで。あとは耳夫役みのすけさん、すっごい不気味でうまいなぁって。耳夫のお兄さん、銀行員の時夫役は、あの山崎一さんだったんだけど、特別目立つ感じもなくて1人、落ちついた演技をみせていた。で、結局この船はどこへ向かっているのかなんだけど、一番最後に「実はみんなもう死んでいることに気付いてないんですねぇ〜」で幕。へ・・・?それで終わり?うっそ。。。なんてあっけないまとめ方なんでしょ。というのが私の感想。うーむ(--#) 超人気のこの劇団だけに、イマイチだった私はもう一回観てみようと心に決めたのだった。。。。。(私の感想も、なんて簡単なまとめ方なんだ(笑)) そんなナイロン100℃のオフィシャルHPはこちら
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