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劇団音光舞 Non Brand Project 2nd Live stage
   『Present for you』

 


bunkamura10周年記念特別企画 オーチャードホール10周年ガラ

99.9.4(土) オーチャードホール
第1部 クラシック 豊かなる源流
    指揮 井上道義 高関健 
    東京フィル・新日フィル ダブルオーケストラ
     歌劇「タンホイザー」序曲
    中丸三千繪(ソプラノ) ナムドゥー・キム(テノール)
     歌劇「トゥーランドット」よりアリア‘氷のような姫君の心も’
     歌劇「トゥーランドット」よりアリア‘誰も寝てはならぬ’
     歌劇「魔笛」よりアリア‘愛の喜びは露と消え’
     歌劇「マダム・バタフライ」より愛の二重唱
    ホーカン・ハーデンベルガー(トランペット)
     ヴェネツィアの謝肉祭
    小山実稚恵(ピアノ)
     ピアノ協奏曲第5番変ホ長調作品73「皇帝」より第1楽章
    東京フィル・新日フィル ダブルオーケストラ
     管弦楽のための「日本組曲」より「盆踊」
第2部 ポップス しなやかな越境
    東儀秀樹(篳篥)
     ドビュッシー/岡野貞一:「牧神の午後への前奏曲」〜ふるさと
    須川展也(サクソフォン)
     アストル・ピアソラ:忘却 リベルタンゴ
    リチャード・ストルツマン(クラリネット) 佐藤允彦トリオ
     デューク・エリントン・メドレー
     セロニアス・モンク・メドレー
    熱帯JAZZ楽団
     エポカ・デ・オロ
     セプテンバー
第3部 バレエ 新しき祝祭空間
    熊川哲也(バレエダンサー)
    振付 ローラン・プティ 世界初演
     ボレロ

まずこれだけは声を大にして言いたい!「熊川哲也すごいぞー」最近ちょっと私の中ではロイヤルを辞めた哲也くんに対してもやもやとした気持ちがあったりいろいろで実際「今日もこんなに高いお金を払ってまで観に行く程のものだろうか?」という思いがずっとあったのだけど。そんな気持ちを全て払拭する演技。あまりにも有名な『ボレロ』を全く新しいプティの振付で世界初演という偉業を彼は完璧に成し遂げた・・・。まず『ボレロ』というのは丸い台の上で一人のダンサーが踊り、周りを数人の男性ダンサーが取り囲んで中央のダンサーと呼応するように踊る。これが普通の(というのも変だけど)ボレロなんだけど、今日のプティ版ではまず台は四角で低め。そして周りはオーケストラが取り囲みステージ後方の指揮者側を向いて演奏。真っ暗な舞台でまずボレロのメロディーが流れ出す。しばらくして静かに哲也くん登場。稽古着のような格好、帽子。良く観ると後ろがベルトコンベアのようになっていてその上で歩いたりしている。哲也くんが舞台にすすみ出ると今度は後方に椅子が置かれ、しばらくその椅子を使った振り。ボレロのリズムが高く大きくなるにつれ、哲也くんの動きも激しくなる。ジャンプ。このせまい舞台上でピタッと決まる脚。上体も全くぶれずに。危なげない完璧な踊り。圧巻。もちろん音楽とずれることなく、流れるような演技に瞬きするのも惜しいくらい、くいいるようにみつめる観客。オーケストラの最後の音が鳴り終わると一呼吸おいて割れるような拍手と「ブラボー!」の声。何度も何度も舞台上に引っぱり出される熊川哲也は、最後まで控えめな態度を崩さなかった。才能あふれる彼が、どれほどの努力をしたらこれだけの完璧な演技ができるのか。想像すらつかないけれど、いくら天才だってすぐにあんな風には踊れない。きっと彼の中で世界初演の誉れと、ロイヤルを退団して世界が注目している今の状況と、新しい物に挑戦する気持ちと、いろいろなものがあってあれだけの演技が完成されたんだろうな。才能+努力、本当にすごい。さて、プログラムをさかのぼってまず、Wオーケストラ。最初、舞台上に2人の男性が歩いてきて「?」って思ったのだけど、そう、Wオーケストラだから、それぞれのコンサートマスターがいるんだよね。ちょっとオペラグラスでのぞいてみつけた本日のく〜りんの注目の人(笑)は、茶髪のチェリスト。最前列で目立つこと!オープニングの『タンホイザー』は何故この曲かというと、10年前、このホールはこの曲で幕開けしたからなんだって。続いてオペラ歌手の中丸三千繪さん。はじめて生でみたけれどきれいな方です。でも男性のテノールと一緒になると男性の声がかなり強くてちょっと弱々しい印象。そしてく〜りんが楽しみにしていた小山実稚恵さん。一曲じゃ足りない(^^;) もっと聴きたい。とっても女性らしい弾き方が素敵です。クラッシック部門ラストは再びWオーケストラによる日本人作曲家の曲なんだけど。どうも現代音楽があまりいいと思ったことのない私。どうかな〜と思っていたんですが。これがどーして、指揮の井上さんは同時に司会のような事もやっていて「次は踊り出したくなるような曲です」と、やおらまめしぼりの手ぬぐいを取り出してねじりはちまきをし、上着を脱ぐと背中にはミッキー&ミニーのプリントが・・・(^^;) 「うーむ、かなりおもしろいおじさんだぁ」曲のほうもおもしろい曲でWオーケストラの迫力を充分に発揮していたの。さて第2部。シーンと静まり返ったホールのステージに源氏物語から抜け出してきたような貴公子登場。これも楽しみにしていた東儀秀樹さんの演奏。真っ白な狩衣、烏帽子姿でまっすぐ前を見てゆっくりと歩く姿は平安時代の貴族そのもの。この時だけは時間がゆっくりと流れているようなそんな感覚にとらわれたのです。あとで井上さんがインタビューすると、この格好は「普段着です」だそうです(笑) 表情をぜんぜん崩さずに変なこと言う人です。続いてSAXとクラリネットのJAZZがくるんだけど、これがこんな会場だから盛り上がらないこと(^^;) ステージ上ではさぞがっかりしたことでしょう。そして2部最後を飾る熱帯JAZZ楽団。これも、ね。こんな会場じゃなかったら立ち上がって踊りたいところだけど、客席、シーン・・・。なんか演奏している人がかわいそーになってしまった。熱帯JAZZ楽団はそのうちCD買おうっと。6時30分開演で全部終わったのが10時20分くらいかな。途中2回の休憩をはさんだ今回の公演は、やっぱりどう考えてみても熊川哲也のボレロが頭から離れず、その日寝るまで興奮状態だった・・・・・。
さてこの後は、はんちゃんレポートです(^-^) 
    ▲▽▲ ▲▽▲ ▲▽▲ 
「10周年記念」というだけあって、内容もチケット代も(^^;;,気合いの入った
このコンサート。
なんと言ったって、それぞれ第一線で活躍中のアーティスト達が一同に会してのコ
ンサートなのです。もちろん、一番のお目当てはこの公演の最後を飾る、熊川哲也
くんの「ボレロ」だったことはいうまでもございません。(#^^#)まあ、そのことに
ついては後々ゆっくりと語るとして(^^),オーケストラの演奏から始まったステージ
は、途中指揮者 井上道義さんのユーモアたっぷりのMCをはさみながら(とにかく
面白い人だった!)進行していくわけですが、しかし、内心わたしはちょーっと心配
だったの。ふだんあまり聴かないジャンルの音楽ばかリなだけに、退屈して寝ちゃう
んじゃないか。。。ってね。だけど、そんなことは全然なくって、終わってみれば
「ほんといーもんみたなぁ。。。もっと聴きたーいッ」って思うくらい、あっという
間に時間が経ってしまっていたという感じ。
オペラの情感たっぷりな世界(鳥肌がたつくらい美しく、声量のすごさに感動!)、
こんな音も出るんだ、と聴き惚れてしまったH.ハーデンベルガーさんのトランペット
の柔らかな音色は、この楽器のイメージを一新させてくれたし、にぎやかなラテンの
のリズムも楽しい熱帯JAZZ楽団にはつい体を動かしたくなっちゃった。踊りたく
なるといえば、えー?これもクラシック?パーカッションも華々しい、その名も「盆
踊」。やっぱり日本人はこのリズムに血が騒ぐ(^^;) しかし、この曲の目玉はなんと
言っても、ねじりハチマキにミッキーマウスのシャツ(だったよね、確か)、ダイナ
ミックな指揮で会場を涌かせた井上道義さんでしょう。(^^)
そして、東儀秀樹さん。あの時、一瞬にして会場を包んだ空気をなんと言ったらいい
か。。。雅楽器 篳篥(ひちりき)を持ち、まるで「源氏物語」そのものの烏帽子姿
でしずしずとステージに登場した東儀さんを目にした私は、「ハァ〜」とも「ヒィ〜」
ともつかない、ため息というか声にならない声というか、とにかくほうけたようにみと
れてしまっていたのです。雅びやかな篳篥の音色も堪能したけど、やっぱり平安貴族の
ような東儀さんの品格にやられたって感じでしたね。(#^^#)
さて、おまたせいたしました、の哲也くん。今回の演目「ボレロ」は世界初演というこ
とですごく楽しみにしていたのだけど、その期待を裏切らない、哲也くんの才能にまた
また惚れなおしてしまった私。オーケストラが周りをぐるりと囲んだ四角い台(?)の
上という、かなり制約されたスペースで、寸分の狂いもミスもない完璧な「ボレロ」を
踊る哲也くんの美しい身のこなしを、吸い寄せられるように観ていました。
あ〜あ、何だかんだいっても私は哲也くんの踊りがが好きなんだな。やっぱり惹き付け
られてしまう。そして、哲也くんのバレエを、こうして生で楽しめる機会を持てた自分
がすごくラッキーだと思うし、まだ観たことない人には「1度は観てごらん!」と声を
大にして言いたいです(^^)。。。だって、言葉でうまく言えないんだもん。(レポにな
ってないって。)そんなわけで、近頃「ボレロ」が聴こえると、ドキドキしています。
いっぱい素敵な音楽を聴いて、哲也くんにも惚れなおして、折しも芸術の秋が深まりつ
つある今日このごろの私は、なんだかすごく音楽熱が高まっているところです。。。。

                              byはんちゃん

 


ナイロン100℃「テイク・ザ・マネー・アンド・ラン」

99.9.5(日) 下北沢本多劇場
作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
CAST 村岡希美 峯村リエ 松永玲子 小林高鹿 三宅弘城 みのすけ 長田奈麻
     山崎 一 新谷真弓 澤田由紀子 西牟田恵 犬山犬子 廣川三憲
     大倉孝二 今江冬子


舞台は大地震がおきた日本から脱出し、ある島へと向かっている船の中。そこに乗り合わせたのは・・・手術をしなければ死を待つばかりの妹とその費用をなんとかしなければと思いつつも金を貢いだ男に捨てられた姉。宝くじで2億という大金を手にしたが、それをそっくり復帰の為にマネージャーに預ける元歌手。借金の返済の為に誘拐をした夫婦。そして・・・自分の職場から盗んだ1億数千万もの大金を隠し持つ銀行員。。。何が本当なのかわからなくなっていく船上では、自分たちがどこへ向かっているのかもわからない・・・・・

ずっと前から気にはなっていたの。ケラさんと言えばその昔「有頂天」のCDをレンタルして聴いていた私なのだから。何かついでがある時に観たいと思っていてやっと念願かなって行ってきました、下北沢本多劇場。今回も例によってぎりぎりでチケットをとったので席は限りなく最後列に近いはじっこ。でもいいの。初めてだし、とれただけラッキー。いつも思うんだけど、下北沢の劇場って一人で観に来る人が多いんだよね。演劇好きが集まってるんだな。舞台上は船のデッキのセット。まず登場したのは元保険勧誘員につめよる女。そしてそれをとめる妹。物語の背景は日本を大地震が襲い、どこかの島へ向かって逃げ出す船の上という設定らしい。ちょっと躁鬱病気味の姉は、男に騙されてお金を貢いだんだけどこの男ってのが歌手でこんな歌歌ってます・・・「山に登ればやま〜、海に登ればうみ〜・・」ラジオから流れてくる声にうっとりする姉。聞き流している客席。そこへ妹のするどいつっこみ!「海は登らないでしょー!!」あ、そっかぁ、言われて笑い出す私たちも・・・(^^;) 「うーん、ケラさんってこういう感じかぁ」と、軽くうけたとこで、そのあと細かいギャグはあったけど私にはどうもねーてな感じで中盤。年配の男が「母さん」を連れてデッキに出てくる。この場面は最高。この2人のシーンは大爆笑の連続で疲れちゃったくらい。まず「母さん、何か飲みましょうか」と言って自販機の前へ行く男「か、母さん大変です!ミルクティーを押したのに『おーいお茶』が出てきました!」(笑) 母「何でもいいでしょう」男「でもミルクティーと『おーいお茶』じゃぜんぜん違います!」母「どっちもお茶でしょう」男「ま、それもそーですね。呼んでるか、呼んでないかの違いくらいでどーってことないですよね」(爆笑) もうだめ。笑いのつぼ。う〜ん、ケラさんてこー来るのかぁ。。。このシーン、この後も引き続き自販機ネタとかいろいろ、たたみかけるように言葉で笑わせてくる!またこの男をやっている大倉さんの「か、かーさんっ」っていう演技(どんな演技じゃ^^;)と、母さん役今江さんの妙に落ちついたゆったりとした演技が絶妙のバランスなのだ。でも大きく盛り上がったのはそこくらいで。あとは耳夫役みのすけさん、すっごい不気味でうまいなぁって。耳夫のお兄さん、銀行員の時夫役は、あの山崎一さんだったんだけど、特別目立つ感じもなくて1人、落ちついた演技をみせていた。で、結局この船はどこへ向かっているのかなんだけど、一番最後に「実はみんなもう死んでいることに気付いてないんですねぇ〜」で幕。へ・・・?それで終わり?うっそ。。。なんてあっけないまとめ方なんでしょ。というのが私の感想。うーむ(--#) 超人気のこの劇団だけに、イマイチだった私はもう一回観てみようと心に決めたのだった。。。。。(私の感想も、なんて簡単なまとめ方なんだ(笑))   

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