1月7日

朝5:00起床。6:00ホテルの送迎車で空港まで送ってもらう。まだ真っ暗闇である。今日は空から日の出を見るために、いつもより早く出発した。真っ暗闇の中で飛行前点検を始める。持ってきたペンライトが役に立った。

空港のATISによると、30度方向から13ノットの風、視程10マイル、快晴、気温5℃との情報だ。クリアランスにコンタクトして滑走路「34L」、離陸後針路290度、デパーチャー周波数124.6MHz、スコーク「0264」の指示をもらう。グランドにコンタクトすると滑走路「34L」の端まで行かずに途中の誘導路「D」までのタキシングの許可が出る。滑走路が長いので途中の誘導路から離陸するのだ。

着陸灯を点灯してタキシングを始める。しかし広大なランプからの出口がわからない。暗い着陸灯では正面が見えないのだ。しばらくランプ内をウロウロしていると、見かねたグランドコントロールが方向を指示してくれた。やっとのことで誘導路「D」までタキシングすることができた。

7:00 Midland国際空港の9500フィート滑走路「34L」を離陸する。右側にMidland、左側にOdessaの街の明かりが広がっている。30kmほど離れたMidlandとOdessaの街のちょうど中間点にMidland国際空港が建設されているためだ。デパーチャーとコンタクトしながら真っ暗闇の夜間飛行が続く。8:00頃になってようやく明るくなってきた。夜が明けると10000フィートを越えるロッキーの山々が浮かび上がってきた。東の空には雲が出ていたので日の出は見られなかった。Midland国際空港を離陸して30分ほどでニューメキシコ州に入る。

10000フィートを越えるロッキーの山々
10000フィートを越えるロッキーの山々

離陸してから2時間くらい経過した頃、遠い正面に目を凝らして見ると茶色であるはずの砂漠地帯にかすかに白い物体が見える。徐々にその白い物体は大きくなってくる。最初は何だか分からなかったが、近づいていくうちにはっきりしてきた。なんと「雪」だった。20cmくらいの積雪である。砂漠の大地が見事な純白のじゅうたんで覆われている。おもしろい事に、ここから砂漠、ここから雪というように大地にくっきりと境界線が引かれている。これが大陸性の気候なのだろうか。自然の威力を見せつけられたようだ。

純白のじゅうたん
純白のじゅうたん

対地速度を測ってみる。対地速度とは地面に対する飛行機の速度のことで風の影響を受ける。すなわち向かい風だと対地速度は遅くなり、逆に追い風だと早くなる。Transwestern空港からCorona VORまでの32ノーティカルマイルを15分45秒で飛行した。計算してみると対地速度は122ノット(226km/h)だった。

インターステート40号線が見えてきた。母なる道「ルート66」である。1926年から1984年までの58年間、シカゴからロサンゼルスまで走っていた、東西を結ぶ大動脈だった道である。インターステート40号線に沿ってしばらく西へ行くと、着陸予定地であるMoriarty空港が見えてきた。無線で空港を呼ぶが応答が無い。上空から見ると滑走路と誘導路だけは雪がなく着陸できそうだ。とりあえず降りてみることにした。ここは既に標高が6200フィート(1900m)もありロッキー山脈の入口だ。

Moriarty空港に着陸する。事務所まで行ってみたが鍵がかかっていて誰もいない。もしここで給油できなければ約30ノーティカルマイル(56km)先のAlbuquerque国際空港まで行くしかない。すると一人の男性が車でやってきて事務所を開けた。営業は9:00からだという。私の時計では10:00を指している。そうだ、時差変更線を通過したのだ。早速給油してもらう。聞くと12月25日に大雪が降って30cmの積雪になったそうだ。例年だと雪は全く降らないという。

雪の中での給油
雪の中での給油

格納庫前に練習用グライダーが係留されている。ここ「Sundance Aviation」はグライダースクールだったのだ。格納庫のグライダーを見せてもらう。単座グライダーが1機、複座グライダーが2機、モーターグライダーが1機、曳航機が2機置かれていた。夏は強力な上昇気流が発生するので、好きなだけ飛べるそうだ。離陸は全て飛行機で曳航する方式で、日本のようなウインチ曳航は見られない。日本と違って不時着場所はいくらでもある。

グライダー
グライダー

Moriarty空港を離陸すると、インターステート40号線に沿ってロッキー山脈へ入っていく。まもなく砂漠の大都市Albuquerqueが見えてくる。Albuquerque国際空港の管制空域を避けて高度10500フィートで通過する。今回の旅の中で一番高いところを飛ぶことになった。周囲は10000フィートを越えるロッキーのピークが続いている。インターステート40号線に沿って山肌を縫うようなフライトが続く。Gallupの街を過ぎるとアリゾナ州に入る。

ロッキーを走るインターステート40号線
ロッキーを走るインターステート40号線

Flagstaffの街が見えてきた。今日はこの街で泊まることにしている。Flagstaff空港にコンタクトして滑走路「03」に着陸する。ここは標高が7000フィート(2130m)もあり、今回の旅の中では一番高い所にある空港である。気温9℃。燃料を満タンにしてから、電動カートでサービス会社「Wiseman Aviation」まで送ってもらう。カウンターでホテル「Ameri Suites」を紹介してもらい迎えに来てもらう。そのホテルは空港から4マイルほど走ったFlagstaffの街中にある。一泊$79。6月の観光シーズンと12月のスキーシーズンには賑わうそうだ。

宿泊ホテル
宿泊ホテル

今日は朝早く出発したので、まだ午後2時を少し過ぎたところだ。ホテルの近くを散策してみる。冬の快晴の抜けるような青い空が眩しい。空気が澄んでいてとても気持ちがいい。北側の日影にはまだ雪が残っている。街の北側には雪をかぶった12633フィート(3850m)の「Humphrey」ピークが見える。通りがかりのショッピングセンターに入ってみる。時差変更線を通過したので時計を1時間遅らせる。

本日の飛行距離595ノーティカルマイル(1102km)、飛行時間6時間48分

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